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❅·̩͙15 ページ15

眠たい目を擦りながら
いつも通りの学校へ行く手順を踏んでいく。



髪の毛、プリンになってきちゃったな。
またリタッチしに行かなきゃ。
あぁ今日なんかの小テストだった気がする。
提出物あったっけ。



ぼんやり何かしら考えながら
ぼんやり家を出て鍵を閉めて



イヤホンを両耳につけて、束の間音楽に溺れる時間を…



左耳にイヤホンをつけようと少し右に顔を傾けた。
今立っている場所の右側はちょうど公園が見える。



イヤホンが、手から滑り落ちた。



「あぇ、ちょっと、やばいじゃん」



小さい子向けの遊具が沢山並ぶ中に
不釣り合いな人物が紛れている。
パステルカラーで彩られたブランコの前。
深紅の雫が固まって、彼を囲んでいた。



「ねぇ、大丈夫?生きてる?」



ゆさゆさ揺すってみるけど、このピンクの頭は動かない。
慌てるべき場面のはずだが不思議と心は落ち着いていた。



よーく見ると、胸が上下に動いている。
…寝てるだけか?



「佐久間、朝だよ。こんなとこで寝たら死ぬよー」


「佐久間ー」


「佐久間!!」



びくっ、と肩が反応した。
徐々に開いた瞼が私を捉えて数回瞬きする。



生きてて何より。



佐「あれ、Aちゃんだ…明るい…寝ちゃったんだ」


「死んでんのかと思ったよ。起きれる?」


佐「にゃは、ストレートだね笑
起きれるんだけど歩くの厳しいかもお」



起き上がった佐久間の足からは血の固まった痕。
うーん、なかなか生々しい。



傍にはバイク。あれは多分中型の。
バイクの免許は原付しかないから私は運転できない。
とすると…



「しょうがないな…」


佐「え、なになに」


「ちょっと待ってて」



全速力で家へ戻った。
あの日のまま置かれたキーを取って
免許を取得してからも1度も行っていない車庫へ。



動くのかは知らない。
何もかもあの日で止まったままの父親の車。
ようやく、時を進める。



エンジンはかかった。
ガソリンも半分以上ある。



ゆっくり発進した車にとりあえず何も起こらない。



さっきの公園まで戻って、蹲っている彼に
なるべく近づけるようにして停めた。



「送る。バイクより振動少ないし、掴まってる必要も無い」


佐「ま、まって、ランボルギーニ?かっこよすぎない?
Aちゃんイケメンすぎて惚れちゃいそう」


「何でもいいけど早く乗って」


佐「いやこんな高級車に血だらけの俺が…」


「いいから」



金だけはあったんだよね、うち。

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hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時

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