＃７３(S) ページ23
S side
新幹線の中で急遽予約をとった部屋に向かう
その間も黙って付いてくるAの腕を引く
ベッドにぽすっと腰をかけたAの足元に少し距離を開けて座った
「足、痛くなるよ、」
聞きたいことや言いたいこと、いっぱいあるだろうに
こんな時でも気遣ってくれるAに心が痛む
『急に来てごめん、どうしても、直接言いたくて…』
「…別れる」
『…え？』
「って話？」
………は？なんで？
『ちが』
「やだ、別れたくない」
俯いて表情が見えなくなったAの手を慌てて取る
『まって、A違うって』
「ちがうの…？」
『全然ちがう、謝りたくて、』
「…そんなことのために、わざわざ」
"そんなこと"じゃない…
『傷付けて、ごめん…俺、あんなこと思ってない』
「佐久間は間違ってないよ…チヤホヤされてるのは…事実だと思うし」
『…！事実じゃないって！Aが頑張ってる結果だから』
無理に笑いながら首を横に振るA
あぁ、俺ほんとバカだ
勝手にヤキモチ妬いて不安になって…
誰よりも努力してるの知ってたのに…
一時の感情のコントロールできずにこんなに傷付けて…
それなのにAは俺のためにそんな素振りを見せない
「さくま、泣かないで、」
涙をぬぐってくれる小さな手
『…っ、ごめん、俺、ほんと最低だ…ごめんっ…』
「言ってなかった私が悪いの…スマホも切っててごめん」
『Aは、なんも悪くないから』
Aの手に手を重ねると震えていた
『…俺っ、許してもらえるなんて思ってないけど』
Aが飛び込んできて突然のことに支えきれずに床に倒れこんだ
『あっぶね…』
「さくま、どこもいかないで、置いてかないで」
『A、』
子どもみたいに泣きじゃくるAの背中をさする
『大丈夫、大丈夫だから、』
AはAで、不安で堪らなかったんだ…
俺がAを振るなんてことありえないのに、そんなことまで考えさせてしまっていた
苦しいぐらいに抱き締められているけど今はそれがちょうどいい
泣き続けてたAの呼吸が落ち着いた代わりに寝息が聞こえてきた
Aを信じてる、なんて言って心のどこかで、無理をしてるんじゃないかと思うときがあった
結局それって信じれてなかったんだよな…
人に言われるまで分からないなんて俺、Aの何を見てきたんだろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 591人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M(プロフ) - 咲里以さん» 日々お疲れ様です🥺💐嬉しいことばかり言ってもらえて、感謝しかないです！いつもありがとうございます！ (2022年8月11日 14時) (
レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
咲里以 - 私生活多忙で全然読めてなかったのですが…引き込まれて一気読みしました！はー！幸せ！！！素敵なお話ありがとうございます⸜🌷︎⸝ (2022年8月11日 10時) (レス) @page36 id: d6172fab00 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 咲里以さん» レス遅くなってごめんなさい·····通知きてなくて気付かなかったです😭感想、ほんとにめちゃくちゃ嬉しいです！！！いつでも待ってます🥺💓 (2022年7月21日 23時) (レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
咲里以 - ( ◜ᴗ◝)💓いつも楽しみにしています😘ウザいかと思いますが、書きたい時にゴンゴン感想送りますね← (2022年7月12日 11時) (レス) @page27 id: d6172fab00 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 咲里以さん» 咲里以さん！めちゃくちゃ伝わってます！お誕生日当日に更新した甲斐がありました🥲そんな風に言って頂けてほんとに嬉しいです😭💕 (2022年7月7日 0時) (レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M | 作成日時：2022年5月15日 20時
