＃２９(S) ページ29
S side
直帰の予定だったけど荷物だけ会社に置いて帰ろうとオフィスに戻ってきた
電気ついてんじゃん、まだ誰かいんの？
パッと見渡しても人影がなく自分のデスクに向かうと、床に座り込むAが視界に入ってきた
『ちょ！A！？』
呼んだ瞬間肩がビクッとしたけど動こうとしない
『どうしたの！？』
駆け寄って覗き込んだら涙を流すAと目が合った
『え！』
驚きで大きな声が出てしまって慌てて口を押さえる
「…っ、さくま、」
思わず抱きしめた
なにがあった？またなんかされた？渡辺さんは？なんで一人なの？
聞きたいことはいっぱいあるけどAが話し出すまで背中をさすり続ける
「、ありがと、」
だいぶ落ち着いてきたAから身体を離す
『っ、』
勢いで抱きしめたけどこんな近い距離は初めてで今頃になって焦った
抑え込んでた気持ちが簡単に溢れ出る
『ん』
Aの頬に伝った涙をわざと雑に拭き取った
されるがままのAは子犬みたいでこんな時でも愛おしく感じてしまう
「佐久間、」
『ん？』
「…私、フラれちゃった、」
『えっ』
え？
渡辺さんが、Aのこと、振った？
は？なんで？
「振られるのって、こんなに、苦しいんだね…はは」
『…なんでそんな無理して笑おうとすんだよ』
「…」
弱々しいAの肩を掴み再び腕の中に閉じこめた
『泣きたい時は泣けばいいんだって、迷惑じゃないから』
「っ……、さく、まっ、…ぅ…」
背中に回されたAの腕
俺を求めてくれてるような錯覚を起こしてしまう
"幸せになってくれないと、諦められないじゃん"
思わず出た言葉はあまりにも小さくて、泣いてるAにはきっと届いていない
「佐久間がいてくれて、よかった、ほんとにありがとう」
『俺はこれからもいるから』
「っ、うん…」
乱れた前髪を指で流すと肩をすくめるA
こんな風にAに触れる日が来るなんて思ってもなかった
『帰るか』
「佐久間、なにかやることあって戻ってきたんじゃ、」
『Aのこと迎えにきた』
「それは、嘘じゃん」
『ははっ、…いやでもまじで奇跡だと思ってる』
目を赤くしたAが首を傾げて不思議そうに見てくる
『ほらもういいから、帰る準備して』
「うん、」
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M(プロフ) - 咲里以さん» 見守ってくださりありがとうございました！佐久間さんに追われるのがまたポイントですよね🤦🏻♀️咲里以さんとのご縁に···💐 (2022年4月30日 20時) (
レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - miku mさん» ありがとうございます！憧れますよね···！佐久間さんに追われる話を書きがちになっちゃいます🥹 (2022年4月30日 20時) (レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
咲里以 - 完結お疲れ様です！！私は断然！追われる派です！！！素敵なお話ありがとうございました！！花束私も待ってます← (2022年4月30日 17時) (レス) @page50 id: d6172fab00 (このIDを非表示/違反報告)
miku m(プロフ) - お疲れ様でした。私は追われる恋に憧れます。 (2022年4月30日 15時) (レス) @page50 id: b2de02ad3f (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 咲里以さん» 初めまして！嬉しいコメントを頂きありがとうございます😭💓スローペースですが、これからもよろしくお願いします！ (2022年4月13日 17時) (レス) id: af16cad67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2022年3月11日 22時
