天界からの救世主30＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】

ﾊﾞｯｶ、移行 ページ50

『俺の見込んだ通りだ。動体視力も機動力も申し分ない。あの組織に属しているままじゃもったいない』

零「はぁ…」


頭痛が痛い。
そんな様子がうかがえる零の表情などガン無視でAは少々興奮した様に話し続ける。


『で、会話してきた』

零「行動がはえーよ」

『早いとはなんだ早いとは。数日OHPにいたのに合わなかったんだ。だが外に出た瞬間遭遇だぞ。話すに決まっているだろう』

零「へ〜〜〜〜〜」


お前上司に大分失礼だな。
今更ながらにAは背後の男に心からそう思った。口には出さない。この態度が妙に心地良いから。


『…と、まあ、そんな世間話をひとつ…次会う約束は口約束だがしたし、ま、関係が切れたわけでもねぇから悪い状況じゃねぇ』

零「まさかそれを話して別れたわけじゃ…」

『別れたが？？』

零「ﾊﾞｯｶ………」


小さくお前馬鹿って言った？？？
A的に会ったことが大事であって、その中身はさほど大切ではないと考えている。
長期戦になることは予想済み。というかそれを見越して計画を練っているので外れても少しこちらとしては困るのだが。


『それで、零。黒染薬なんだが…』

零「！」


任務対象の話はそれくらいに、Aは先ほど自身が思った仮説を零に報告することにした。
零は直ぐに仕事の顔になりメモ帳を取り出す。



『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿…』

零「＿＿＿＿＿＿＿＿…？？＿＿＿」

『＿＿＿＿』



彼らの話し合いはかなりの時間を要した。
そして最後、満足げに手帳を閉じた零が


零「副作用が出たとおっしゃっていましたが、お体の方は大丈夫でしょうか」

『問題ない。今のところは支障は出ていない』


今のところは、ね。
Aは含み笑いをしながら『いい検体になったろ』と言ったのだった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
お話がいっぱいになったので明日移行させていただきます！
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