天界からの救世主30＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】

リスキー、左手 ページ30

『今、我々が適度に行っている「OHPへの潜入捜査」。


勿論リスキーな行為には間違いはないが、それ相応、いやそれ以上の見返りが得られる。
まわりで嗅ぎまわって得られる情報よりも正確に、濃厚で新鮮な情報。これほどオイシイものはないだろう？』


そういったAの言葉に一般部下たちが次々に頭を縦に動かしながら隣同士で話し合う。


「たしかに…」
「でも潜入捜査って高度な技術が必要なんだもんな…」
「大変だ…」

『そうだ。

その潜入に赴く人材には高度な技術を必要として、偉いことにそれを多くの一般部下たちが合格点を取得、実際に潜入捜査に繰り出されている。俺としても誇らし事に変わりはない……』


その言葉を聞いてこの講堂の一角に集まっている潜入捜査班はテレテレと頬を染めた。
周りはそれを温かい目で見る。


だがその幾分か柔らかくなった空気をAは凍らせるように言葉を放った。


『だが、ある組織に調査の白矢が当たったあと。
OHP潜入捜査班のメンバーが潜入後、帰らぬことが多くなったのは知っているか』


シ＿＿＿＿………ン＿＿



『そのことに関しては俺が公言していなかったから知らないのも無理はない。潜入捜査班のやつらにも、内容が内容なだけに言うこともできなくてな…
ここ最近俺はその原因を探っていた。天界は人数が多いとは言えない規模だからな。無駄な犠牲は払いたくない。


そしたら出てきたよ。原因が』


さ、と左手を肩まで上げた。それと同時に部屋の明かりが消され、背後に現れたスクリーンに一人の人物が映された。

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ラッキー新天界組メンバー

零

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