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Aside
いつの間にかカウンターまで来ている樹、きょもと、面倒を見ていた高地は驚き、北斗は笑いをこらえる。
下手に言い回すより、率直に言った方がいいじゃないか。
私の見立てとしては、辰哉から亮平までは理解しているはずだ。
『ねえ、照、と言ったかな？』
黄「え……」
急に名を呼ばれた照は少し固まる。
恐らく最年長である辰哉も私に警戒心を示した。
採って喰いはしないよw
『君、武器を隠し持っているだろう。どこで入手した？』
その言葉に大きく肩を揺らす辰哉、大介、翔太、涼太の年長組。
黄「……持っていない」
『私を騙せるとでも思っているとは、君たちは立派だねえ』
そう言って瞳から笑顔を消せば、照は観念したように懐からナイフを取り出した。
うん、いい子だ。
『……殺し屋の死体の衣服から奪ったか』
固まった血がついて手入れをされていない刃を見れば当然、この子達が買い取ったものではないと悟る。
この系統のナイフは殺し屋が好む。肉によく食い込むからね。
私も愛用してるし←
『生きることに対する貪欲さ。嫌いじゃないよ。むしろ大層好きさ！』
私が腕を広げてまだビクついた動きを見せる九人。
……この子達はまだこの齢で九人だけで支えて生きてきたのだろう。
人に対する警戒心、恐怖心が他のスラムに住んでいるものの比にならない。
『今までどうやって生きてきた』
大方見当はつくけれど。
桃「死体から……財布を抜き取ったり、髪を抜いたりした」
緑「……殺し合いなんて普通にあったから、バッティングした場合物陰に隠れてどっちかが死ぬまで様子を見てたりしてた」
『ほう、では死体になれているわけだ』
青「……なれてんのは辰哉から亮平まで。康二以降はまだ幼いから見せてない」
『でも、スラムだよ？死体なんてごろごろ転がってるじゃないか』
赤「目を塞がせていたんだよ」
『なるほどねえ〜』
こりゃ相当過保護だw
死体は殺した側と第三者から見ると別物だ。
どことなく客観視していた死体が急にリアルになり、生々しく感じるようになる。
康二、蓮、ラウールは胆力がなくなるか……。
さて、何かといい機会はないものか。
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作者名：あられくん | 作成日時：2023年11月13日 16時
