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ＮＯside
田中「北斗！！A！！」
ジェシー「Aー！！」
高地「北斗！！」
森本「北斗にA！！」
松村「お前らうるせえよ、病院だぞ」
北斗は至って普通に笑った。
メンバーを不安にさせないため。
Aは窓際に座って、外を見てる。
その2人の極端さが、痛々しかった。
高地「あれ、嘘じゃないんでしょ？」
松村「……そんな、タチの悪い嘘つくかよ」
普段通りを偽ってた北斗が、高知の質問に重々しく答える。
一気に全員が押し黙った。Aの視線は相変わらず外だ。
田中「……なぁ、師匠たちとも連絡取れなくなってんだけど、知らねぇ？」
『……なにそれ』
樹の台詞にずっと黙っていたAが反応する。
SixTONESは驚いた。
Aは泣いていると思ってたから。
だが、Aは涙のあとひとつなく、瞳を真っ黒に濁らせているだけだった。
田中「誰とも、連絡がつかないんだ。
智くん、潤くん、翔くん、和也くん、雅紀くんも」
松村「風磨くんは、自分がトップになるためには、師匠たちが邪魔って言ってた」
森本「つまり……」
ジェシー「師匠たちもやられてる……？」
『……そう』
北斗、慎太郎、ジェシーの考察に、Aは簡素な返事を返した。
また、窓の方に顔を向ける。
SixTONESは何も言えなかった、言わなかった。
ここで、なにか声をかけていたら、変わっていたのか。
今、考えても仕方ないことを、全員気づいていた。
北斗が退院して、数日が経過した。
まだ完治はしてないものの、日常生活に支障をきたさないと判断された。
北斗は既に、次なる道を探していた。
それは、Bar.ARASHIをBar.SixTONESにして、立て直すこと。
もぬけの殻になった師匠たちと殺し屋のたまり場を復活させる。
この意見に、AもSixTONESの他のメンバーも賛成した。
しばらくは覚束無い経営だったものの、最近は安定してきている。
松村「いらっしゃい……Aか」
『なんだい、私だって立派な客だよ』
北斗は顔を気づかない程度で歪ませた。
あの日から、Aは変わった。
年相応の少女の口調は落ち着いた女性のものになり、パーカーが多かった私服もセットアップを着るようになった。
最終的にハイヒールだって履き出つようになった。
あの頃のAはもういない。
『登録名を変えて欲しくてね』
松村「は、何で」
『codenameを濁に、名を水原Aにしてくれ』
北斗は黙って言う通りにした。
その日に、菊池Aは本格的に消えた。
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作者名：あられくん | 作成日時：2023年11月13日 16時
