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ＮＯside
『本当に、兄さんがやったの？』
風磨「……うん」
Aの瞳は激しく揺れていた。
風磨と北斗を交互に見る。
紛れもなく、銃の怪我を負った北斗と、その銃口の銃を持った風磨。
身体中に変な汗をかく。悪寒が止まらない。
風磨「A、あのトラックの荷台見てきて」
『は？』
後ずさりをして風磨と距離をとる。
風磨はそんなAに苦笑いした。
風磨「その間は何もしない。約束する」
風磨は、こういう時に嘘をつかない。
いや、それは過去の風磨か。
『……行かない』
北斗「…行け……！」
Aは目線を北斗に戻した。
『でも！』
北斗「風磨くんは俺を殺さない！！少なくとも、この間は」
『………』
不服ながらも、Aは北斗に従った。
背を向けずにトラックに近づき、いざと言う時のため扉を蹴破った。
指紋がついたら厄介だ。
『……え、け、んと、くん……
しょうり、くんに……そ、うくんも』
気絶してぐったり倒れてるSexyZoneのメンバー。
昔からAやSixTONESたちと苦楽を共にした兄貴分のチームだった。
そんな憧れであり、ライバルであるSexyZoneがぐったりしている？
Aは受け止めきれなかった。
その加害者が、風磨であることが、何よりも。
『嘘、なんで、健人くん！！勝利くん！！聡くん！！』
風磨「起きないよ、結構強めにやったんだから」
北斗「なんで、……こんな、こと……するんですか……」
風磨「俺のエゴ」
即答だった。
北斗もAも顔を顰めた。いや、Aは絶望に近い。
だが、北斗のしかめっ面は痛みによるものとは異なった。
風磨は笑った。
____その笑みに、違和感はあったんだ。
いつものAなら、間違いなくそれに気づいてた。
でも、落ち着きをなくしたこの状況で。
なおかつAが。冷静でいれるはずがない。
いれたら、それは異常者だ。
風磨「俺はこの界隈でトップになりたい。
そのためには、まず師匠が邪魔。
次にメンバー。SexyZoneは実力派だからさ。
次にSixTONESなんだけど、まあ中でもAと北斗。
だからフォーカスを北斗に絞った。
いやー、これでも可愛い妹を傷つけるのは気が引けて」
北斗はもう、走れない。活動を継続できない。
Aと北斗は終わった。
淡々と告げた風磨の吐く言葉に、Aは絶望した。
風磨「____ごめんね」
小さなこの声が、Aに届くはずもなく、風磨は去った。
そとでは、じんわりと雨の匂いが広がっていた。
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作者名：あられくん | 作成日時：2023年11月13日 16時
