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田中side
冷静沈着な北斗の姿に落ち着きを取り戻したのか、Aは席を立った。
今のまま話し続けても埒が明かないことが分かったから。
でも、北斗もほんと北斗らしいって言うかw
今任務の話する？普通。めっちゃAの気が滅入ってんのにさw
Aもそんなとこに安心すんだろうけど。
田中「ま、今日ははよ寝て考えろよ。
どうせ早く帰ってこいって大介あたりに釘刺されてんだろうし」
『そうだね。付き合ってくれてありがとう』
Aはいつもの調子に戻ってた。
張り付いた薄ら笑い。伏せ気味な目。若干猫背の背筋。
Aであり、Aじゃない誰かになったA。
今夜あたりからSixTONES全員を動員して北斗が動き出すんだろうなぁ、Aに隠れてコソコソと。
絶対高地とかもう察してんじゃんw
露骨に嫌そうな顔してんだけどw
……ずっとこれまでしっぽを掴めなかったあの人が、急に動き出した。
それは、Snow Manの名が本格的に売れだしてから。
何を、考えてる
____風磨くん。
Aside
SixTONESに当たってしまった。
今日の目的は情報交換だったのにな……。
あの自分は、自分じゃなかった。
《京本「あの日から、AはAじゃないよ」》
…ずっと、目線を逸らしてきた問題。
遂にきょもに核心を突かれた。
Snow Manが知ってる私は『水原A』であり『濁』で、
SixTONESが知ってる私は『菊池A』であり、北斗と『バディの殺し屋』だ。
そして、Snow Manが知ってる私をSixTONESも知ってる。
紫「かーさん」
桃「母ちゃん！！」
青「おかあさん」
赤「母さん」
黄「母さん」
緑「お母さん！」
橙「おかん！」
黒「かあさん」
白「ママ！」
Snow Man「先生！！」
松村「A」
京本「Aー」
田中「A」
高地「A！」
ジェシー「A！！」
森本「A！！」
SixTONES「……濁」
濁としての私に憧れて、水原Aとしての私を慕うSnowManに、濁としての私に抵抗を抱き、水原Aとしての私に無理矢理いつも通りを作るSixTONES。
つくづく自分は欲張りだと、こういう時に思う。
SixTONESもSnowManも捨てたくない。
どっちも、唯一無二の家族と友人なのだから。
《なんで選ぶ必要があんの？
どっちも欲しけりゃ欲張りゃいいじゃん》
……忘れてた。あまりにも昔のことで。
私は殺し屋だ。常識？そんなの知らない殺し屋だ。
難しく考えすぎてた。もっと、ラフに行こう。
菊池Aとして。
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作者名：あられくん | 作成日時：2023年11月13日 16時
