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緑side
『ただいま』
紫＆桃「ただいま……」
緑「おかえりっ！無事だっ、た……？」
俺は帰ってきた3人を見て言葉が詰まった。
特に酷い大怪我をしてた訳じゃない。
けど、あの家のうるさい三銃士の一員の辰くんと大ちゃんが大人しいことが少し怖かった。
……やっぱり、樹くんとの意味深な会話が関係してるのかな。
大ちゃんたちは内容を知ってる？
『悪いけど亮平。私はすぐSixTONESに向かわなくてはならない。
夕飯の下ごしらえは済ましてるから、あとは涼太に頼んどいてくれるかい？』
緑「あ……うん」
もう少し落ち着いてからでもいいのに、お母さんは忙しなく出かける準備をした。
聞きたいこと、いっぱいあるのにな。
それに、翔くんも涼太くんもラウも不安だっただろうしお母さんに会いたがってるんだろうに。
お母さんだって、分かってるくせに。
そんなことを考えてる間にお母さんは素早く出かけようとしていた。
仕事着から冬に似合うカラーのセットアップに着替えてる。
『じゃあ行ってくるね。慌ただしくてごめんよ』
ハイヒールを履いて扉に手をかけたお母さんの服の裾を大ちゃんがぎゅっと握った。
『……？大介？』
桃「……すぐ。すぐ、帰ってきて。あんま、いちゃだめ」
母さんは小さく、困ったように、けど、どこか嬉しそうに微笑んだ。
『心配しなくても、お前たちを捨てたりしない』
桃「本当？本当に本当に本当？」
『本当に本当に本当だ。
裏切ったら死んでやるっていつの日か言わなかったか？』
桃「……捨てないでね、俺たちのままでいてね」
『心配症だなぁ』
大丈夫だよ。
起伏が薄いお母さんの言葉。
でもお母さんが嘘はつかないって知っている。
少し不服そうではあるも、大ちゃんは手を離した。
緑「……行ってらっしゃい」
紫「気をつけてね」
辰くんは迷いがなさそうだった。
なんだかんだ、お母さんを1番信用してるのかもしれない。
『うん、行ってきます』
いつもより、ただでさえ大きな事件だったのに、これは、
____始まりでしか、なかったんだ。
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作者名：あられくん | 作成日時：2023年11月13日 16時
