SnowManの最強の先生はちょっと奇人 (ページ30)

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紫side

大介が近くにあった果物ナイスを取って俺に投げる。
俺がそれをキャッチしたのを確認すると大介自身は灰皿を握った。
普段使いの武器の特性から適したものを大介なりに判断したんだろう。

俺たちは構える。
自分から出ても、相手から出ても太刀打ちできる位置で。
先生はポディショニングは大事だと口癖のように言っていた。

『いいかい、辰哉。
お前は地頭がいいんだから冷静になれば最適解が分かる。
亮平に頼らずともね。
精神的な支柱になるのは、SnowManだと辰哉と照だ。
常に冷静でいること。
それを意識していれば飛躍的に強くなれる』

落ち着け、冷静に考えろ。
絶対に、最適解は存在する！

紫「PINK、噛ませよ」

桃「とーぜん！」

大介は器用にくるりと灰皿を指で回した。
どんなときも好戦的な大介に逆に安心する。

桃「でもさー、PURPLE」

紫「ん？」

桃「俺たちの出番、もうなそう」

紫「は？なんで？」

目線を逸らしてから急につまらなそうな顔をした大介が唐突にそう告げた。
そしたら大介が男の背後を指すから俺も目を向けた。

……分かってたけど、釈然としないし、やっぱなーんか気に食わないなぁ。
毎度毎度美味しいとこだけ持ってってくれちゃって。

『遅れて悪かったね』

……？いつもと、雰囲気が違う。
冗談交じりのヘラヘラした空気をまとっていない。
今日は、どこか重々しい。

？「……遅いじゃないか、ヒーロー」

『冗談でも言わないでくれるかい？
私にはどっかの誰かさんがつけた濁と言うコードネームがあるのだけれど』

笑ってない。あの先生が。
いつもの詐欺師顔が消えている。

？「気に入ってたんだ？意外」

『まさか。気取った方を取ってた奴が気に食わないよ』

？「てかなーに？その口調？」

『関係ないだろ』

？「関係ないわけないじゃん。俺はお前の」

____お兄ちゃんだよ？

紫＆桃「はぁ！！？？」

『……そんなの、忘れた』

？「酷いなぁ」

衝撃の事実が発覚した。
けど先生も、自称先生の兄貴も顔色ひとつ変えない。
しばらく、沈黙が続いた。
先生は自称兄貴を睨み、自称兄貴は薄ら笑いを浮かべてる。

兄「でも、今日はここで退散するよ。
SnowManも全員期待以上だったし」

『他のメンバーは？』

兄「勿論解放する。部下に通達しとくよ。またね、A」

『……待て』

先生が兄貴を引き止めた。
解放するって言ったのに？

『……健人くんたちは？』

兄「……さぁね？」

兄貴は去り、先生は舌打ちをした。