SnowManの最強の先生はちょっと奇人 (ページ20)

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黒side

完全に油断した。
意識を取り戻して真っ先に思った。

目隠しされてるから周りは見えないけど……揺れてるし、多分車の中だな。
康二は……？

拘束されてる手を動かして辺りを探る。
けどあるのは短い毛のカーペットだけだ。
一緒に詰め込まれてない……？
いや、そんな非効率なことはしないはず。

すると手に、何かがコツンと当たった。
警戒しつつ、手で何かを撫でてみた。
何かしらの物、と言うほど固くはない。
けど、康二だとしたら筋肉質すぎる。
康二はもっとモヤシみたいだし。

？「ん……」

やば、お客さんだった？
下手な動きとった、しくった……

黄「……誰だ？」

黒「照くん！？」

黄「え、蓮！？」

黒「そう！蓮！」

見えないけど、何年も一緒に過ごしてきたからわかる。
照くんの声だ。
同じ状態だった……？
俺の方が目覚めるのが早かったか。

黄「は？どういうこと？てかどこいんの？辰哉は？」

黒「多分今は車の中。さっき康二と攫われて……」

黄「じゃあ康二いんの！？」

黒「いない。分散させてんだと思う」

未だに俺も状況を読み込めないけど、照くんはもっと混乱していた。
でも、さすがはSnowManのリーダー。理解が早かった。

黄「なんで俺と蓮は……あ、そういうことか」

黒「？どーゆーこと？」

黄「こーゆーのは鈍いのな。
俺と蓮はあんま接待被んないでしょ？
連携させないためじゃない？」

黒「？？できるじゃん」

黄「見慣れない組み合わせだからだって」

そんな「一定の人としか連携取れません」なんて殺し屋いるはずないだろ。

黄「……とりあえず、まだやられてるフリをしよう。
本格的に来られたらたまったもんじゃないからしっかり圧放てよ」

黒「うん」

するとモゾモゾ音がして、照くんが小さく呟いた。

黄「……辰哉、平気かな」

「変なところで弱いからさ」そう照くんは言った。
2人は夫婦って呼ばれるくらいのゆり組に次ぐ最強バディだから信頼もある。
けどそれ以上にお互いが大切だから不安なんだろうな。
見えないけど、いつもの目元をクシャッとさせる顔を照くんが見せた気がした。
無理矢理笑ってるんだろうな。照くんは優しいから。
年下の俺を、不安にさせないように。

黒「辰くんは大丈夫。それに康二も、みんなも大丈夫」

黄「……うん」

黒「俺たちもこのままやられてると思ったら大間違いだし」

黄「恐らく先生と亮平も動き出してる」

黒「反撃だね」

黄「あぁ、反撃だ」